あなたのターニングポイントは?
2020.12.29
「人生のターニングポイントを教えて下さい」
面接に訪れた19歳女性に投げかけた私の一言だ。
彼女は想定外の質問に慌てふためき、答えにならない回答をしてしまったことに、ずいぶん落ち込んでいた。
私はその質問から、
その体験がどのようにあなたを変えて、今に至るのか。
あなたは人生にストーリーを持っているか。
を聞きたかった。
人には必ずターニングポイントがある。予測してくるものではない。
あれが自分のターニングポイントだと、後になって振り返ると、
「やっぱりあれだったんだ」と気がつく。
ターニングポイントは良い事ばかりではない。良いことも、悪いことも順繰りでやって来たように思う。
昨年亡くなった祖父に自分の人生を重ねてみたり、庭の隅で咲いてる花に幸せを感じたり、それもその人のターニングポイントかもしれない。
小さなものや大きなものまで、その人それぞれだ。
私の記憶に残る一度目のターニングポイントは2002年12月5日。
間違いなく、私の人生の転機だった。
人生の目標や生きがいを感じることがなく、ただ、なんとなく生きていた。
その日、たまたま、早朝に目が覚めた。
で、なんとなく散歩した。久しぶりの寒冷の朝の空気は格別だった。
その散歩が習慣になり、やがて競歩になり、ジョギングになって、1年後にはフルマラソン3時間05分で完走した。翌年はトライアスロンに挑戦し、もちろん完走した。
仕事も余暇も充実して、全てがうまく回っていった。
思考が変わり、行動が変わり、人間関係も変わった。
増収、増益が続き、会社の評判を聞きつけて若い技術者が全国から集まった。
何気ない朝の散歩が人生を変えた。
そして二度目のターニングポイントは突然やって来た。
2016年3月26日。
マウンテンバイクで転倒して骨折。
介護が必要な生活となり、歯車が狂うように、何かが変わっていった。
信じられないような出来事が、これでもかと次から次へとやってきた。
走ることも仕事も離れていった。会社もなにもかも失うことに。
散歩や骨折は、原因ではない。転機なんだ。
予期しない事が、なんの足音も立てずに突然やってくる。
次の転機がくるまで、今できることを一生懸命にやっていく。
そういうことなんだと思う。人生のターニングポイントって。
ターニングポイントはいい事ばかりではない。辛いこともある。
映画の脚本のように突然の展開があって、まさかのオチがある。
抑揚のない人生なんてつまらない。可愛そうなくらいにね。