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退職代行サービス

2021.09.22

後継者

退職代行サービスが流行っている。

検索エンジンで「退職」と入力すると代行サービスの広告がずらーって出てくる。

しかし、まぁ、よくこんなサービス考えたもんだと関心する。

私なら、まずこんな発想は出てこない。

昭和世代はたいがいこんなもんだ。

やめる時は上司経由で社長に意思を伝えて、感謝を述べてお別れする。

それがどうしても受け入れられない場合は給与日の月末まできっちり働いて、締め日から月末までの日数分は奉公返しとする。

昭和過ぎますでしょうか。

前社での社長時代はこの感覚が社員になかなか理解されなくてけっこう悩んだ。

時代感覚のズレなのか。義理と人情は古いのか。

いやいや、今の若い世代に問題があるのではなく、時代に追従できない組織に問題があるのかもしれない。

 

時代のニーズか?

時代の移ろいは働き方も変わるんだなぁと、改めて思う。昭和の頃、代行サービスを出したら絶対アウトだろう。というより商売にならんだろう。仮にニーズがあっても社会が認めない空気があった。時代は変わり、このサービスを受けなければいけない事情や社会の歪んだ背景も変わってきているのだ。

昭和世代は言うだろう「代行サービス使うなんて最近の若い奴はお世話になった会社にもロクに挨拶もできない非常識な女々しい奴だ」。

いやいや、今のひとは昭和よりも進化していて、けっこう合理的かもしれませんよ。

代行サービスを使う人とは

代行サービスに依頼する人の何割かは辞めたら縁も切るし面倒臭い人間関係に終止符を打つ。だから、礼も節も知るか。そんな人もいるだろう。

しかし、依頼者の大半はこんな人だ。会社と上司の呪縛から解放されない人。何度も何度も退職の意志を伝えても、退職願を目の前で破られる。就業規則でガチガチに固められている。ヤクザの縁切りのごとく恫喝されて恐怖のどん底に落とされる。

そうして何度もトライした結果、もう精神的に追い詰められておかしくなりそうで、そして最後に「もうやめますから!」と啖呵切って、お世話になった同僚や先輩にラインでお別れの連絡をする。

合理的ではないか。突然いなくなったり、連絡も取れない状態が続いたりすると余計な気をまわして業務どころではなくなる。

そこでこのサービスの出番だ。

業者から担当上司宛に電話があって、慣れた口調で円滑に事務手続きがすすめられ、貸与品を後日郵送で返却して、ハイ終わり。

なるほど、そういうことか。世の中、円満退社ばかりではない。止むに止まれぬ都合や、凄惨な事情もそれぞれにあるはずだ。時代にあったサービスだと考えさせられます。

昔からあった潜在ニーズ

そう言えば、昭和の時代にもあった。

追い詰められて辞めるにやめられなくて毎朝地獄みたいな状況。結局、昭和の時代も今もその部分は変わっていない。

しかしあと腐れ残して辞めると後がめんどくさい。辞めた後に会社に連絡して就業証明書の発行とか社会保険の関係で電話するの嫌ですよね。そう考えれば、今も昔も変わらず潜在的なニーズはあったってことだ。

それにこのサービスを利用する人は律儀で善良な社員だと思います。しっかり代行業者に代金払って意志を伝えています。

時代のニーズというよりも、社会の歪みが露呈されたサービスと言い換えることができる。このサービスの人気と社会の歪みは比例しているのかもしれませんね。

経営者は上司と部下の関係性に日頃から注意が必要です。

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