神戸散歩
2021.11.08
神戸という街はおもしろい。
東西にビヨーンと延びていて、中心から山と海の間隔が狭い。
バレンシアガで買い物して、すぐ後ろの山で遭難しそうになって、
防波堤で100cm級のハマチを釣る。
そんなことができる都市は、はっきり言う、世界にここだけだ。
同じ関西の京都、大阪とはまた違う魅力があるのも神戸だ。
神戸の東西では、コンパクトでありながら文化が違う。
セレブな東地区とダウンタウンの西地区。
住民や空気そのものまで違う。
神戸っ子は言う。神戸市と認める西の境界線ギリギリは新長田までなんだとか。
それより西は播但なんだそうな。
この東西にぎゅっとシュリンクされた多様性がいい。
司馬遼太郎の小説に「疲れたときは神戸の散歩がちょうどいい」とあったのを思い出した。
確かに、何か考え事をするような時は、机上は落ちつかない。散歩したい。
そんなとき、神戸駅から三ノ宮まで、東西に延びる商店街をぶらりするのがいい。
大阪の天神橋筋や京都の河原町をぶらりするのとは違う。
碁盤の目よりも東から西へ、空気のうつろいを感じるのがいい。
気が向けば東へ雲井通りに沿って春日野道まで歩くのもいい。
西は地下にもぐって新開地あたりで昭和を懐かしむのもいい。
東と西は同じ都市というより、
ときに、あれは文化的閉鎖性と郷土愛の強さを含めて、
違う国と思うことがある。
また食文化もおもしろい。
東のカレーそば。
西のぼっかけ。
神戸っ子は言う「神戸は洋食の街やからな」。
街外れの住宅地に名店が多く存在するのもここ神戸の特徴だ。
地元の人しか行かない老舗の洋食屋。これまたいい。